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本日もAGP行動科学研究所の長谷川さんのレポートです。
さて、みなさんは、よくこんなことを話されませんか?
「あいつは、資質がないから、無理だよ」とか「やっぱり資質が違うね」とかいう言葉を
使われたこと、あるいは、聞かれたことは、ありませんか?
この場合の資質とは、何でしょう?いわゆる才能という言葉に、非常に近いと思われませんか。
では、適性って、何でしょう?この資質と才能と適性は、どう違うのでしょう。
試しに、辞書で引いてみました。
まず、資質ですが、生まれつきの性質や才能。と出ていました。
次に、才能ですが、
物事をうまくなしとげる優れた能力。技術・学問・芸能などについての素質や能力。
とありました。
なんかよく似ていますね。どう違うのでしょうねー。ほとんど同じって感じですよね。
では、適性はどうなっているのか。
適性は、ある事に適している性質や能力。また、そのような素質・性格。
となっていました。
ちなみに、素質がよく出るので、引くと
素質は、
1.持って生まれた性質
2.将来あるものになるのに必要な能力や性質。
3.素は、白色の意。白色の地質。生地の白いこと。特に女性の白い肌。
とでていました。
ついでに悪乗りして、能力も引いてみました。
能力は、
1.物事を成し遂げることのできる力。
2.法律上、ある事柄に関して当事者として
要求される資格。だそうです。
これらの言葉の意味をみて感じるのは、非常によく似ているということですね。
もちろん、少しずつニュアンスの違いはありますが・・・・。
また、先天的なものか後天的なものかというイメージでは、能力を除き、先天的イメージが強いですね。
能力と才能は、能力がアップしたものが才能ということのようですね。
それと能力の意味は、保有能力というより発揮能力として、定義されているようですね。
これは、話題の多いコンピテンシーと同じような意味合いですね。
まあ、いずれにせよ、普段、何気なく使っている言葉の意味を調べて見ました。意外に面白い発見
がありますよね。
この資質と言われる目にみえない部分は、パーソナリティや価値観、動機、社会性、欲求などの
様々な要素で構成されています。
俗に、よく性格は、変えられるか、変えられないかということを話題にすることがありますよね。
実感としては、なかなか変らないし、変えられないと感じますよね。
しかし、正確には、気質などのなかなか変えられない部分もありますが、変えられるというのが、正解です。
非常にゆっくりですが、変えていけます。例えば、価値観などは、学生の時と社会人になってからは、しだいに
変化していって、5年から10年ぐらいすると、かなり変化してますよね。みなさん、いかがですか?
ご自分の学生時代と社会人になってからとどうですか。過去を振り返って思い出してください。
また、協調性や責任感といった社会性と呼ばれる態度的側面も仕事や研修を通じて、変化していきます。
よくあの人変ったねと言われる人がいますが、本質的な性格は、変ってないのですが、仕事や経験を通じて
成長してくると、社会性の成熟度が気質などの本質的な性格部分をコントロールし出します。
そうすると、見えている行動が変ったので、あの人性格変ったね。というふうになります。
昔は、すごい短気な人で、よく喧嘩してたのよ。それが今は、仏のようになって・・・・・。
こんな話、みなさんも聞いたことありませんか。
この事例からもわかるように、見えている行動が変ると性格が変ったことになるのです。
つまり、性格=見えている行動と定義すると、いくらでも変化させられる気がしますよね。
しかし、事はそう簡単では、ないのです。
無意識にやっている行動を変化させるのに、どれぐらい時間がかかるかという
実験があります。
例えば、靴を履くとき、あなたはどちらから履きますか?
右、左。どちらでもいいのですが、それを今までと違う方で、無意識に履きかえるのに、
約50日かかったそうです。そうするためには、当然、意識しなくては、できません。
そうやって、無意識レベルでできるようになるのに、それだけかかるのです。
つまり、習慣化されていることを変化させることは、靴ひとつとっても大変な時間が
かかります。
そうすると、長い時間かかって、形成された人格や習慣を変化させることは、なかなか難しい
のです。余程、本人が強い意志で望み継続しないと変化しないことになります。
大抵は、途中であきらめるわけですよね。これがなかなか変らない理由です。
それと、少し話はズレますが、最近の脳の研究から、わかったことがあります。
つまり、脳内ホルモンが性格に影響しているという研究報告です。
これは、クロニンジャーというドクターが、1987年に発表したものです。
具体的には、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの脳内ホルモンが
性格に影響を与えているというものです。
人それぞれこの脳内のホルモンの分泌量が違います。
たとえば、セロトニンが多く出ている人、出てない人。ドーパミンが多く出ている人
出てない人などのようにいろいろな組み合わせがあるわけです。
その組み合わせは、全部で8通りになります。
つまり、脳内ホルモン上は、8つの性格があることになります。
このような性格は、遺伝が50%、環境が50%の要因と言われています。
ですから、先天的には、半分決まっていますが、残り半分は、後天的要素で
変化します。
脳内のホルモンの分泌量も行動により、ある程度変化させることができるようです。
そういう意味では、性格を行動により変化させることは、できるといえます。
あきらめずに、頑張って、行動して行けば、性格は変るということを医学の分野で証明
してくれました。なんか希望が出てきますね。
しかし、性格が変えられると言っても、今まで説明しているように、そう簡単ではありません。
実感としては、なかなか難しいというのが本当の感触でしょう。
実は、脳内ホルモンの問題の他に価値観の問題があります。自己概念(セルフイメージ)と呼ばれる
「自分だと思っている自分」がいます。
自分は、こういう人間だというイメージ(セルフイメージ)を変化させることは、実は、なかなか
大変なのです。しかし、できないわけではありません。
これも変化させることは、可能ですが、行動や経験を通じて変えていくことができます。
しかし、変えていくには、本人が自分を革新していく前向きな価値観や意欲がないと土台無理に
なります。
以上のことから、性格は変えられるが、なかなか難しいというのが、結論的に言えることです。
本人、自らが、自らの可能性を信じ、自ら自己革新してゆく意志と行動力があるかないかがポイントと
なります。その意味では、大変な努力がいることになり、年齢とともに、諦めて,凝り固まり、
変化しずらくなります。
結局、印象的には、変らないじゃないかとなるのです。
では、このような資質を採用に活かすことは、できないか。
それが、適性というものです。
適性があるとか、ないとかいうことは、向いているか、向いていないか
ということですよね。
向いている人は、資質的にそういう特性を持っているわけですから、何か同じことをしても
そんなに努力しなくてもいいわけです。
逆に、ない人は、大変な努力をしないとできない。
これが、採用においては、職務ごとに捉えないといけない理由です。
だって、向いている人を採用する方が伸びが違うでしょう。企業にとっても個人にとっても
その方がいいですよね。
これが適性テストを使う理由ですね。
ところが、ひとつ問題があります。
それは、よく適性テストで載っている職務適性というもの。
これは、あくまでも過去の参考データでしかありません。
つまり、膨大なコンピュータに蓄積されたデータによって、こういう
タイプの性格の人は、こういう職務にいたもしくは、向いているのではないか?
というだけの参考値にすぎません。
これだけ現代の職務が多様化し、また仕事の裁量の自由度が広がる中では、
この職務適性というデータは、役に立たないものになりつつあります。
そして、企業ごとの文化、社風、行動規範、経営理念、事業特性、などの環境要因は、すべて
違います。
ですから、この人がいいとか、悪いとか。この人が向いているとか、向いていないという基準は
会社ごとに違うということになります。
もう少し、具体的にいうと、同じ保険の営業をしているAさん、Bさんがいます。
Aさんの会社は、超有名企業で、会社の営業展開は、人海戦術の効率追求のスタイル。
Bさんの会社は、有名企業ですが、会社の営業展開は、ひとりひとりに納得ゆくように
ファイナンシャルプランを説得する効果追求のスタイルだとします。
この場合、同じ保険の営業マンでも求める資質が同じになるでしょうか。
想像してもわかるように、ならないですよね。
しかもこれらの求める資質の違いは、会社ごとにありますよね。
http://www.basara-web.com/saira/ |
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