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感性を磨くには? 2005/12/15(木)
この前お会いした鮒谷さんのコメントです。
とても共感できたのでご紹介いたします

一般的には歳をとるごとに感受性がとぼしくなり、 ものごとに感動しにくくなると言われているようですが、 私の場合、それが逆で、歳をかさね、時がたつにつれて、見聞きするひとつひとつの事象にたいして感銘を受けるようになってまいりました。



■東京の真ん中で業務におわれる手を休め、
 ふと事務所の外をながめると、

 そこには、えもいわれぬ夕焼けの陽光が
 ビル群を照らしている。

 光と闇がいりまじった玄妙(げんみょう)な陰影に、
 ああきれいだな、と素直におもう。



■仕事に没頭し、気がつけば夜明けをむかえ、
 まぶしく輝く日の出をみては、幽玄(ゆうげん)な光の芸術に
 嘆息をもらす。


 海や山をみれば荘厳な情趣にそそられ、

 花や木をながめては雅(みやび)な情緒にうたれ、

 鳥や虫をみても、もののあわれに心を動かす。



■むかしは、それらはそこにあるのが当たり前であって、

「存在していること」そのものに対する感動など、
 考えることさえできませんでした。



■自然現象だけでなく、
 伝統芸能にも、なんの興味も示さずにいました。

 それが変われば変わるもの。

 最近では時間がゆるすなら短歌、俳句、漢詩などを学びたいとも
 おもうようになってきました。


 この心境の変化はどうしたことか。

 私自身が、いちばん驚いているのです。



■考えてみれば、茶室のわびさびが生まれたのは、
 天下泰平の時代ではありませんでした。

 戦国時代、
 生と死のとなりあった戦闘をくりひろげて帰還した武士が、

 静寂な枯淡(こたん)の趣をめでていたのです。



■われわれビジネスパーソンもしかり。

 毎日、外に出陣するということは、

 たとえていえば戦国時代、生きるか死ぬかの戦闘で
 神経を皮膚に露出させているようなもの。


 そうすると、ちょっとした息抜きの時間、
 一杯のコーヒーをすすっても、たいへんな満足感をかんじる
 のです。



■充実した毎日からは、そんなところからも感動が
 生まれてしまうのです。

 しかし日常に何の変化もなければ、感動が得られないのが
 道理。



■おそらく、歳を重ねるほどに感慨深い毎日になってきたのは、

 むかしよりも必死に、加速度をあげて動いているから
 なのではないかとおもいます。



■動(どう)があるから静(せい)の美しさが際立ちます。

 なにかしらのアクションを起こし、みずから積極的に
 動いているからこそ、

 止まっているものの美しさに気がつくのかもしれません。



■ところが何の変哲もない24時間が365日流れているだけでは、
 いかにあなたの優れた感受性といえども反応しません。



■あなたは歳を重ねるごとに感動が多くなっていますか。

 もし、そんな感覚をお持ちでないなら、

 日常生活が充実しているか、振り返ってみてごらんという、
 自然からのささやきなのかもしれません。
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