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フェアなスポーツはない? 2005/09/13(火)
この世の中にはフェアなスポーツはないといわれています。
テニスでも相手のいるところに返球すべきものを裏をかいてとんでもないところに落としたり
野球でもインコースに投げる構えをしながら
アウトコースに投げ込んで三振を奪います。
中には隠し球で相手選手をだましたり、言葉の心理作戦で相手を混乱させるキャッチャーもいます。サッカーでも名選手ほど反則技をたくみに使っています。
いくらアンフェアでも、許されている範囲であれば、活用しなければ負け犬になってしまい、そうなったら勝負の世界では誰も見向きしてくれません。
江戸時代に、宮本武蔵という剣豪がいました。
あるとき武蔵は佐々木小次郎という天才剣士と真剣勝負をしなければならない立場となり、山口下関市の東方に浮かぶ、巌流島という小島で決闘することになりました。
このとき武蔵は、約束の刻限より2時間遅れて
到着し、イライラして待つ小次郎を舟の櫂で、
一撃に殺したのです。
後世、武蔵は約束に2時間も遅れたというので
卑怯な剣士といわれましたが、実は2時間というのはギリギリの約束の範囲だったのです。
昔は午の刻といっても午前11時から午後1時までの2時間をさしたので、この間にかけつければ、アンフェアではありません。
小次郎は約束を刻のはじめと思い込み
武蔵は2時間が終わる刻のギリギリに到着してもかまわないと、みずからの本領を発揮できる
刻限を狙ったことになります。
この狙いはぴたりとあたり、勝利の女神は武蔵の頭上にまいおりたのでした。
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